ジュウニブンノイチ_Episode 0/12




そう、
制服を着ていた頃は
僕は君を知らなかったし、私はあなたをただ見ていた。




あの頃の僕は、
13年上のあの人に夢中で、
どうすればあの人を幸せにできるのか、と
漠然と、ただ漠然とそればかりを考えていた。
あの人が僕の神だった。
それ以外世界に興味はなかった。


あの頃の私は、
とにかくぼんやりと周りを見ていた。
夢も目標も特になく、
ただ伸びた髪だけは大切にしていた。
時折視界に入るもの、起きた出来事、横目で眺めては
私にできることなど何もないのだと知った。
そしてそれはいつまでも真理なのだ。

(2010.05 初出)